会社設立の登記が完了したあと、どのような手続きがあるのでしょうか。今回は会社設立の後しなければいけない税務関係の手続きをご紹介したいと思います。
❶ 法人設立届出書
法人設立届出書は、「こんな会社を作りましたよ」という届出を税務署に知らせるためのものです。(国税庁HP:法人設立届出書)法人設立届出書には、会社名や所在地、代表者名はもちろんですが、資本金額や事業年度といった会社の基本情報を記載します。法人設立届出書に記載されている事項を基に税務署は課税を行います。なお法人設立届出書を提出する際には、定款の写しを登記事項証明書(登記簿謄本)を忘れずに添付しましょう。提出期限は設立後2ヵ月以内となっていますが、基本的には設立したらすぐに提出しておきましょう。
また、この法人設立届出書は、都道府県や市町村にも提出が必要です。各都道府県税事務所や市町村のHPよりダウンロードできますので、確認しておきましょう。(香川県県税事務所HP:法人設立・異動届
高松市役所HP:法人設立・開設申告書)
❷ 青色申告の承認請求書
青色申告にて決算申告を行うためには管轄の税務署に事前に承認を受けておかなくてはいけません。青色申告の承認請求書はそのために必要な申請で、通常は法人設立届を提出する際に合わせて提出を行います。(国税庁HP:青色申告の承認請求書)
青色申告の承認請求書は、会社を設立後3ヶ月以内に提出する必要があります。この提出期限を過ぎてしまうとその期の適用は受けられなくなってしまいますので、注意が必要です。また会社設立後3ヶ月が経過するより先に第1期の事業年度が終了してしまう場合にはこの第1期の事業年度最終日よりも前に提出しておく必要があります。例えば、1月15日が設立日で事業年度が3月31日(3月決算)になっているような場合がこれに当てはまります。この場合には4月15日までではなく、3月31日までに提出を行いましょう。
❸ 給与支払事務所等の開設届出書
会社設立後、給与の支払いを行うのであれば、給与支払事務所等の開設届出書を管轄の税務署に提出する必要があります。(国税庁HP:給与支払事務所等の開設届出書)会社を設立したばかりで、従業員を雇っておらず、役員が社長ひとりしかいないような場合で、人件費が社長の役員報酬しかないような会社でも給与支払事務所の開設という概念に該当します。給与支払事務所等の開設届出書は、会社を設立後1ヶ月以内に提出しますが、実際の給与の支払いが給与支払事務所の開設日の翌月以降になる場合には、給与支払を開始する予定日を記入しておけば構いません。
また給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出すると、後日税務署より源泉徴収に関する書類が郵送されてきます。この中には源泉徴収の手引きや源泉徴収税額表および源泉所得税の納付書が入っています。(国税庁HP:平成30年版源泉徴収のしかた)
❹ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税は通常であれば、給与等を支払った翌月の10日までに納付書による納付を行います。しかし雇用している従業員が10名未満の会社の場合には、半年に一度の納付を行うこともできます。ただしこの半年納付を行うためには事前に源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出しておくことが必要です。この届出を行った直後の1月または7月から半年納付の特例の承認を受けることが可能です。承認を受けている場合には、1月から6月に支払った給与等の源泉所得税を7月10日まで、7月から12月に支払った給与等の源泉所得税を翌年1月20日までに納付することになります。半年に一度の納付は、毎月納付する手間が省けるというメリットがある反面、半年まとめての集計になりますので、納付忘れや半年分の納付額は毎月納付に比べると大きくなるため負担になりやすいという側面もありますので、その点に留意しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?設立後の税務署等への届出は漏れのないようにきちんと行いましょう。
ベンチャープラス会計事務所では、会社設立後の届出のサポートも行っています!不安な方は是非ご相談くださいね。
当記事が素敵なヒントになれば幸いです。