会社を設立するとき、その会社がどんな形態をとるのかを必ず決めておかなくてはいけません。形態とは会社の種類のことで「株式会社」や「有限会社」はよく耳にすると思いますが、それ以外にはどんな会社があるのでしょうか。ここでは、会社の種類にはどんなものがあるのか解説していきたいと思います。
会社の種類は全部で4つ
株式会社 | 合同会社 | 合名会社 | 合資会社 | |
資本金 | 1円~ | 1円~ | なし | なし |
定款の認証 | 要 | 要 | 不要 | 不要 |
出資者責任 | 有限責任 | 有限責任 | 無限責任 | 無限責任 有限責任 |
出資者 | 1名以上 | 1名以上 | 1名以上 | 2名以上 |
最高意思決定 | 株主総会 | 社員全員の一致 | 社員全員の一致 | 社員全員の一致 |
取締役の任期 | 原則2年 (株式譲渡制限会社は最高10年) |
無制限 | 無制限 | 無制限 |
設立費用 | 24万円~ | 10万円~ | 10万円~ | 10万円~ |
会社には上の表のように、大きく分けて4種類の種類があります。しかし合名会社や合資会社を作ることはあまりありません。このふたつの会社形態では出資者が無限責任を負うことになり、出資者のリスクが高いと言えます。また一般的な知名度が低く社会的な信用も低いので、新たに会社を設立して事業を盛り立てていこうというような場合、あまり実際的ではありません。
一般的なのは「株式会社」
総務省統計局や中小企業庁のホームページなどでも会社数を調べることができますが、リアルタイムで簡単に調べられるのは「国税庁法人番号公表サイト」。
株式会社や有限会社は数が多いためか、検索の際に都道府県の指定をしないといけないようですが、例えば「東京都」と「株式会社」にチェックをいれて検索ボタンをクリックすると、551,874件がヒットします。「東京都」「合名・合資・合同会社」だと75,671件。
同様に「香川県」「株式会社」は12,415件、「香川県」「合名・合資・合同会社」は1,054件。(すべて2017年10月19日時点の検索結果)これだけ見てみても、株式会社が圧倒的に多いことがお分かりいただけると思います。つまりほとんどの会社が株式会社の形態をとっており、それだけ一般的で信用力も高いということが言えると思います。
また平成18年5月に新会社法が施行されてから、資本金が1円でも会社を設立することができるようになり、以前よりも会社設立のハードルが緩和されていることも、その原因の人つだと言えるでしょう。会社設立を考えるときは、まずは株式会社の形態を検討することをおすすめします。
費用を安くするなら「合同会社」
合同会社はその数は少なくあまり一般的ではないかもしれません。しかし合名会社や合資会社と比べると、出資者責任が有限責任であることから比較的リスクが少ないと言えるでしょう。また定款の認証が不要であることから、会社設立にかかるコストが安く済むというメリットがあります。
そのため、会社を作りたいけどお金はあまり使いたくないという場合やスモールビジネスでの展開を考えているような場合は、合同会社を作るのがいいでしょう。
将来的に「株式会社」に組織変更することももちろん可能ですが、その際には登録免許税がかかりますので、最初に設立するときに長い目で考えておくことが大事ですね。
「有限会社」はもう作れない?
平成18年5月の新会社法の施行により有限会社法が廃止され、新たに有限会社を設立することができなくなりました。世の中にはたくさん有限会社があるのに、と思われた方も多いと思います。それは有限会社法が廃止される以前に設立していた有限会社については、特例有限会社として存在することが認められているからです。有限会社ならではのメリットもありますが、残念ながら現時点では有限会社を設立することはできません。
まとめ
いかがでしたか?
会社を一度設立したら、何度も会社形態を変更することはできません。
まずは将来どんな会社にしたいのか、と想像を膨らませて考えてみてくださいね。
当記事が会社設立の際の素敵なヒントになれば幸いです。