社会保険

【完全保存版】社会保険の加入手続き 徹底ガイド!

面倒になりがちな社会保険の加入手続き。しかし会社を設立したら、やらなくてはいけないことのひとつ。法律でも定められていますので、後回しにせずしっかりと備えておきましょう。

社会保険の加入は会社の義務

前回の記事でもお伝えしたように、例えひとり社長の会社の場合でも社会保険の加入はマスト。(ただし、報酬が一定額を満たない場合にはこの限りではありません。)

設立したばかりの会社で、まだひとりも従業員がいない・・・。そんな場合でも、社会保険は加入しないといけないのでしょうか?従業員にはかけてあげないといけないな、という意識の社長は多いと思いますが、自分ひとりなら国民年金と国民健康保険のままで構わないだろう、と考えがちではないでしょうか。今回は、ひとり社長の場合の社会保険の加入義務について解説していきます。ひとり社長でも社会保険はマスト会社を設立したら、たとえ社長ひとりでも社会保険には加入しなくてはいけません。法人事業所で常時従業員(事業主のみの場...

 

未加入が発覚した場合には、最長で過去2年に遡って保険料を徴収されることもありますので注意が必要です。ご参考→日本年金機構の取組み(適用調査対象事業所対策)

健康保険・厚生年金の加入時期と手続き

健康保険と厚生年金の手続きは年金事務所で同時に行います。まず先に会社の登録を行い、次に被保険者(保険の対象者)の加入手続きを行います。提出方法は郵送・窓口・電子申請のいずれかですが、おすすめなのは窓口へ直接出向いての手続き。会社の登録手続きはめったにすることがありませんので、直接担当者に確認しながら行うほうがスムーズです。その後の被保険者の入退社に関する業務や保険料の徴収方法等、不明点はこの機会にどんどん質問してしっかり教えてもらうことをおすすめします。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

提出書類   健康保険・厚生年金保険新規適用届
提出先    所轄の年金事務所
提出期限   会社設立日から5日以内
添付書類   会社の登記簿謄本の原本(90日以内に発行されたもの)
所在地の地図
法人番号のわかるもの
(申請書のダウンロード→http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150311.html

この申請は、会社の新規登録手続きにあたります。税務署や都道府県、市町村に会社設立の届出を行ったのと同じように、年金事務所にも新しく会社を作りましたよ、という届出を行います。同時に会社に所属していて保険に加入すべき人の登録を行います。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

提出書類    健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
対象者     役員・従業員を問わず、被保険者になる人全員分
(申請書のダウンロード→http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/hihokensha1/20150422.html

この届出は、会社にこんな人が所属していて、毎月これだけの給与がありますよ、という届出です。毎月負担する保険料を算定する基になります。

健康保険被扶養者(異動)届

提出書類   健康保険被扶養者(異動)届
対象者    扶養家族(配偶者や子ども・父母等)がいる役員・従業員
添付書類     扶養者の年間所得が103万円以上130万円未満の場合は「課税(非課税)証明書」
(申請書のダウンロード→http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/hihokensha1/20141204-01.html

この届出を忘れてしまうと、健康保険の扶養に入れませんので、会社に所属する役員・従業員に扶養に入れるべき家族がいないかどうか、しっかり確認しておきましょう。また、配偶者が国民年金第3号被保険者にあたる場合も手続きが必要です。ちなみにこの「国民年金第3号被保険者資格取得届」は「健康保険被扶養者(異動)届」とひとつの綴りになっています。
聞きなれない用語ばかりですが、漏れがあると取り返しがつかないことも。事前に確認し、ひとつひとつ丁寧に届出を行うようにしましょう。

労働保険の加入時期と手続き

労災保険と雇用保険をふたつまとめて労働保険と呼びます。健康保険、厚生年金と違い、同時に手続きはできません。まず労災保険の手続きを済ませてから雇用保険の手続きを行います。加入のタイミングは従業員を雇用したとき。役員のみの場合はひとまず手続きは不要ですが、併せて確認しておきましょう。また届出は郵送・窓口・電子申告のいずれか。健康保険・厚生年金以上に慣れていないと理解しにくい部分がありますので、時間がかかりますが窓口に行くことをおすすめします。

労災保険

労働関係成立届・労働保険概算保険料申請書

① 労働関係成立届
提出先     労働基準監督署
提出期限    従業員を雇用した日の翌日から10日以内
添付書類    登記簿謄本
労働者名簿
賃金台帳
出勤簿
従業員が10名を超える場合は「就業規則届」を併せて提出。

②労働保険概算保険料申請書
提出先     労働基準監督署
提出期限    保険関係が成立した日から50日以内

一般的には「労働関係成立届」と「労働保険概算保険料申請書」と同時に提出します。1年間分の労働保険料を概算で算出したもの(概算保険料)を、保険関係が成立した日から50日以内に納付を行います。この労働保険料には労災保険部分と後述の雇用保険部分が含まれています。労災保険と雇用保険の届出の提出先はそれぞれ違いますが、保険料の納付は合算して行います。各届出の用紙はHPからのダウンロードはできません。郵送か窓口で入手しましょう。

雇用保険

雇用保険の手続きは労働基準監督署で「保険関係成立届」と提出した際に会社ごとの「労働保険番号」が付与された後に行います。この労働保険番号がないと雇用保険の手続きを行うことができません。労災保険の手続きを終えてから雇用保険の手続きを行うのはこのためです。

雇用保険適用事業所設置届・雇用保険被保険者資格取得届

① 雇用保険適用事業所設置届
提出先     公共職業安定所(ハローワーク)
提出期限    従業員を雇用した日の翌日から10日以内
(設立時から雇用する場合は設立日の翌日から10日以内)
添付書類    登記簿謄本

②雇用保険被保険者資格取得届
提出先     公共職業安定所(ハローワーク)
提出期限    従業員を雇用した日の翌日から10日以内

通常、このふたつの手続きも同時に行います。今後ハローワークを通じて求人を行うような場合、社会保険の加入をしているかは必ず確認される事項でもあります。また各手続きにはマイナンバーの記入も必要項目になりました。漏れのないよう確認をしておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?非常に複雑でとっつきにくい社会保険ですが、会社を設立した場合の考え方は意外とシンプル。まずは会社という「いれもの」の存在を登録し、その中に入るべき「ひと」の登録を行うと考えるといいでしょう。それぞれ保険料を計算するために、必要なものは…と考えていくと整理しやすくなると思います。手続は面倒かもしれませんが、ひとつひとつ丁寧に進めていきましょう。

当記事が社会保険手続きの素敵なヒントになれば幸いです。

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