従業員から国保のままにしてと言われたけど、そのままでもいいの?

株式会社などの形態をとっている法人は、社会保険の加入義務があるということをお伝えしましたが、(社会保険_加入義務のリンク貼る)従業員から今までかけていた国民健康保険をそのまま継続加入したいという要望があった場合、それをそのまま受けてしまってもいいのでしょうか?
結論としてはアウト。その理由を解説していきたいと思います。

従業員は社会保険のほうが保険料の負担が少ない。

ここで言う社会保険とは、勤務先で加入する健康保険と厚生年金のこと。
社会保険では従業員が被保険者となり、扶養親族がいればその親族も健康保険の対象者としてそれぞれに健康保険証が交付されます。
一番大きなメリットは健康保険料です。一般的な会社が加入する協会けんぽ(全国健康保険協会)のような健康保険は、あくまでも従業員本人のみの給与の標準月額に応じて健康保険料が計算されますが、国民健康保険には扶養という概念がありませんので、家族ひとりひとりについて健康保険料がかかります。また国民健康保険では前年の所得を基に保険料を算出しますので、会社を退職して国民健康保険に切り替えた場合、負担が大きくなることが考えられます。
また会社員や公務員に扶養される配偶者であれば加入できる第3号国民年金も、配偶者本人の年金保険料の負担はなく、あくまでも第2号被保険者である夫の厚生年金保険料で賄われるのに対し、国民年金ではそれぞれが第1号被保険者となり、家族単位で見た場合の保険料の負担はそれだけ大きくなります。

雇用主は社会保険料の負担が大きくなる。

一般的に会社が負担する社会保険料は給与の15%と言われています。(ただしここでいう社会保険料とは健康保険・厚生年金に加え、雇用保険・労働保険も含みます。)例えば、従業員の毎月の給与が仮に30万円だとすると、会社としては社会保険を含めると約34万5千円のキャッシュアウトになるということです。
(詳しくはこちら→リンク貼る)従業員を守るためには、社会保険を完備しておくというのは会社としては当然の義務ですが、従業員を雇うと給与以外にも負担すべき費用は意外と大きくなるものです。

社会保険未加入は社会的信用を失う?

平成29年3月に公表された厚生労働省の実態調査によると、社会保険未加入の会社は全国で135,490事業所。これは630,128事業所に対する実態調査に対して回答のあった161,898事業所の約84%にあたります。
またこのうちの約半数にあたる64,446事業所が加入手続きをまだ行っていないとの回答がありました。加入手続きを行わっていない理由としては①保険料の負担が困難、②加入要件を知らなかった、③加入にメリットを感じなかったということが挙げられたようです。(参考:社会保険の適用促進対策について 厚生労働省

しかし、政府としては今後社会保険未加入事務所への加入指導の強化をいう方針が決定していることもあり、最悪の場合2年に遡り追徴金を支払わなくてはならないケースもあります。また社会保険の未加入は違法行為にあたるため、罰金が科せられる場合も…。(健康保険法第208条)こんなことになっては社会的な信用を大きく失ってしまうことになるのです。

社会保険未加入の会社は人材の確保が困難?

そもそも社会保険未加入の会社はハローワークに求人を出すことができません。仮に社会保険未加入の状態で求人票を提出した際には、ハローワークからの指導という形で社会保険の加入を条件として求人票の受付を行うという流れになります。
しかし実際に求人を行ったとしても、社会保険が未加入の会社だということが求職者にわかれば、人材の確保が難しくなることは容易に想像がつくのではないでしょうか。有能な人材を確保したいという考えがあるのであれば、社会保険の加入を済ませておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?従業員側にも会社側にも国民保険のままの状態にしておくことのメリットはほとんどありません。
むしろ社会的な信用を損なうというデメリットのほうが大きいのではないでしょうか。よりよい人材を確保し、長く勤務してもらいたいのであれば、安心して働ける環境を整えるのも経営者の役割ですね。
当記事が社会保険を考える際の素敵なヒントになれば幸いです。

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