今回は、前回黒字倒産しない会社を作る!「資金繰り表」作成のコツ①でお伝えした資金繰り表を作成方法を実際の表を確認しながらご説明していきたいと思います。
資金繰り表を作成しよう
資金繰り表に決まったフォーマットはありませんが、横に予算と実績の項目が各月表記されるようになっていて、縦に収支が計算できるようになっていることが一般的です。
1月 | 2月 | ||||
予算 | 実績 | 予算 | 実績 | ||
❶前月繰越 | |||||
収入 | 現金売上 | ||||
売掛金の回収 | |||||
受取手形期日入金 | |||||
前受金の入金 | |||||
その他入金 | |||||
❷営業収入合計 | |||||
支出 | 現金仕入 | ||||
買掛金の支払 | |||||
支払手形の期日決済 | |||||
未払金の支払 | |||||
人件費の支払 | |||||
その他支出 | |||||
❸営業支出合計 | |||||
❹営業収支 ❹=❷-❸ | |||||
収入 | 借入金 | ||||
その他収入 | |||||
❺財務収入合計 | |||||
支出 | 借入金の返済 | ||||
その他支出 | |||||
❻財務支出合計 | |||||
❼経常収支 ❼=❹+❺-❻ | |||||
❽翌月繰越 |
⑴ ❶ 前月繰越
前月から繰り越された現預金残高の合計額を記入。
⑵ ❹ 営業収支(❹=❷-❸)
会社の営業活動に直接関係するお金の出入りを記入。
❷ 営業収入 現金売上、売掛金の回収など営業活動で入ってきたお金を記入。
❸ 営業支出 現金仕入、買掛金の支払など営業活動で支払ったお金を記入。
⑶ 財務収支
会社の営業活動に直接関係のないお金の出入りを記入。基本的には借入金などの資金調達とその返済がここに該当します。
❺ 財務収入 金融機関からの借入金や固定資産の売却などの営業活動と直接関係のないお金の入りを記入。
❻ 財務支出 借入金の返済や固定資産の購入など営業活動に直接関係のないお金の出を記入。
⑷ ❼ 経常収支(❼=❹+❺-❻)
営業活動からの収支に財務収支を加減算したもので、当月の収支を表します。
⑸ ❽ 翌月繰越(❽=❶+❼)
前月からの繰越現預金残高と当月の収支の合計が翌月繰越となります。現預金残高と必ず一致します。
⑹ 予算と実績
予定している入出金額と実際の入出金額を記入していくことで、予算と実績の差異から現金収支の傾向や問題点などを見つける手掛かりにもなります。あまり厳密に予測するのは実際には難しいかもしれませんが、ある程度正確な金額を記入するようにしましょう。
資金繰り表から見えてくる検討事項
実際に資金繰り表を何か月かつけていくと、お金に余裕がある会社、余裕がない会社、それぞれ感覚的なものだけではなく、目に見える数字として実感できるのではないでしょうか。またそれぞれについて以下のような対策が取れるのではないでしょうか。
資金に余裕がある場合
経営が順調で資金に余裕がある状態が続いている場合であれば、借入金の繰り上げ返済や、設備投資、将来に向けての投資などが検討できるでしょう。また従業員の福利厚生の充実や役員の退職金の準備をすることもおすすめです。これらは経費計上することで税金の負担を軽減することもできますので、上手に活用するといいでしょう。
資金に余裕がない場合
資金不足の兆候が継続的に続いているようであれば、金融機関等からの借入も検討すべきでしょう。また収益の改善を図ることはもちろんですが、売掛金の回収にも注力が必要です。もし売掛金の回収が長期化しているような場合は要注意。回収ができずに取引先が倒産してしまうと最悪の場合、連鎖倒産ということもあるようです。また現金支払と買掛金や未払金の支払いとバランスにも注意が必要です。現金の残高を気にして、後払いである買掛金や未払金が増えていくと、債務に徐々に圧迫されてしまうような事態に陥ってしまいます。このような場合もやはり借入を検討しなくてはいけないかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?資金繰り表を作成することで、目に見える現預金残高を把握することができますので、毎月記入していくことを是非おすすめします。
当記事が資金繰りを考える際の素敵なヒントになれば幸いです。